セキュリティトークン取引プラットフォーム開始に向け基本合意書を締結
大手仮想通貨取引所Binance(バイナンス)が、MSX(マルタ証券取引所)と協力し、「ブロックチェーン島」として知られるマルタのセキュリティトークン取引を促進する。
マルタ証券取引所のジョー・ポッテリ会長とセキュリティトークン取引プラットフォームを開始する覚書を締結したとマルタの情報誌が報道しました。マルタのエドワード・シクルーナ財務相は記者会見で、仮想通貨を称賛し、マルタが国をあげて新しいイノベーションを牽引することを表明した。
エドワード・シクルーナ財務相は、ブロックチェーンや仮想通貨にリスクは伴うが「この機会を逃す言い訳にいかない。」とも述べました。
また、マルタが他国とは違う法的措置を整え、暗号業界のための適切な規制枠組みを作ることが仮想通貨業界の先陣を切ることなるとも述べました。
バイナンスとマルタ政府は双方とも良好な関係であり、バイナンスは今年3月にマルタで事務所を設立し、法定通貨と仮想通貨のペアを取引所で扱う計画を発表しました。6月にはマルタ証券取引所と協力し、フィンテックスタートアップや起業家を支援すると公表もしました。
さらに翌月の7月にはマルタのFounders Bank(ファウンダーズ・バンク)の株式を5%取得し、分散型技術を基盤とした「分散型銀行」を構築するという目標を掲げました。
一方のマルタ証券取引所は金融技術とデジタル資産を研究する新しい企業「MSX PLC」を設立。今年7月には、ファウンダーズ・バンクと提携している分散型セキュリティトークンプラットフォームNeufund(ニューファンド)社とパートナー契約を締結しました。
原典:Binance Partners With Malta to Launch Security Token Trading Platform
セキュリティトークンに前向きになりがちな理由
マルタ以外でもスイスなどの国でも、セキュリティトークンに対して積極的な動きが見られています。
スイス金融当局は、トークンを、決済用トークン(BTC・LTCなど、有価証券ではない)、ユーティリティートークン(有価証券ではない、投資対象として機能する場合有価証券となる)、アセットトークン(有価証券)の3種類に分類して、適切な規制作りを行おうとしています。スイス証券取引所は、デジタルアセットの取引所としてセキュリティトークンをサポートしていく予定であると発表しています。
こういった動きを行なっている背景としては、もともとプライベートバンクやオフショア金融が盛んな地域であったが、そういった産業が斜陽産業になりつつという点があります。アメリカやイギリスなどの主要先進国の減税や、監視強化のなか、国家として新しいビジネスモデルを模索している部分があり、そのひとつがセキュリティトークンだといえます。